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5-4 地方気質を逆利用する。


 藤岡さんが、まず銀行へ話をもっていったのにはわけがある。藤岡さんは協賛の第一号は銀行か新聞社にと決めていたという。
 これは石川県民の気質を意識したもので、どこが協賛に名乗りをあげるかでその後の展開が大きく変わるからだ。
 おそらく東京の企業が一社目だったら、石川県の企業の重い腰はさらに重くなったことだろう。
 一社目が信頼を第一とする銀行というのも藤岡さんの狙いだった。石川県の企業といえども、誰も知らないIT企業なら反応はもっと鈍かっただろう。
 その意味では信用金庫の決定は大きかった。
 つづいて北國銀行も協賛に参加してくださることになった。
 以後、金沢医科大学、北陸放送、NTTドコモ北陸、大和ハウス工業と協賛会社が決まっていった。
 大和ハウス工業は大阪と東京に本社機能を持つ総合ハウスメーカーで、これほどの企業になると映画やテレビやイベントなど、さまざまな協賛依頼が持ち込まれる。私たちの企画を強力にプッシュしてくださったのが、石川の支店長だった。
「震災復興のために大和ハウスも何かをするべきだし、能登は何といっても前会長が愛された所。協力に際しては『能登の花ヨメ』と他の映画をいっしょにするべきではない」
 本社の上層部にそう直談判してくださったと聞く。
 そして北國新聞社だ。
 企画段階から稲垣さんにはいろいろな相談に乗っていただいていた。それまではあくまでも個人的な範囲に限ってのことだった。
 それまでというのは能登半島地震までのことを指す。
 その後の私たちの対応を知った北國新聞社の社長は、おおかたの石川県の方々同様、私たちを見る目を改めてくださった。
「能登を舞台にした映画の制作を進めていた監督の白羽弥仁さんらが、能登半島地震で脚本の練り直しを思い立ち『能登の花ヨメ』に切り替えることにした。あかるさを引きだし、生きる勇気をわきたたせる映画に、という志に共感する。北國新聞社も協力する」
 “あかるさを描く志がいい”と題された社説の一文で協力を表明してくださった。
 さらに主演が田中さんに決まると、協賛は決定的なものになった。田中さんは北國新聞社のキャンペーンキャラクターを長年務めているからだ。
 協賛が決定してからは何かにつけて記事にしてくださり、そのパブリシティの量は、金額に換算すると莫大な額になるはずだ。
 さらに効果になると、県内カバー率七十パーセントを超える新聞の記事だ、金額に換算すると計り知れない額になる。

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