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4-4 記者会見をする。


 赤坂の近代映画協会には夕方に着いた。
 私は溝上さんに会うなり、石川県サイドの対応がまるで違うこと、映画に対する期待が高まっていることを報告した。そのうえで記者発表を開くことはできないだろうかと持ちだした。
 溝上さんもキャストの問題が障害だといった。
 キャストに関しては、脚本が完成していない以上決めることはできない。とはいえこの映画に興味を持ってくれている俳優さんはいる。映画で震災復興を試みるという行動に賛同の手をあげてくれる俳優さんもきっといるはずだ。
 キャストは出演と発表するのではなく、映画による震災復興という行動に賛同する俳優として発表してはどうか。正式な出演は脚本を読んでからになるけれど、映画による震災復興への試みには少しでも協力したいという熱い気持ちを持っている俳優という紹介ならどうだろう、というのが私のアイデアだった。
 たとえば田中美里さん。
 実は前回の『海辺のテーブル』のときからヒロイン役に田中さんという声があがっていた。脚本も事務所へ持ち込んでいた。石川県は田中さんの出身地である。田中さんなら地元のためにも協力してもらえるのではないだろうか?
 たとえば松尾貴史さん。
 白羽監督との交友も深く、ふたりとも神戸出身。震災復興には人一倍思い入れのある俳優だ。
 そんなことをいうと、溝上さんは
「わかりました。それなら本田博太郎さんも賛同してくださると思います。明日、さっそく各事務所へ相談に行ってきます。そのうえで記者発表を開けるかどうか判断しましょう」
 三日ほどして溝上さんから連絡がった。
「みなさんが賛同してくれました」
 これで記者発表が開ける。
 堀岡さんに連絡するとすぐさま会場をセッティングしてくださった。
 かくして六月二十一日、午後一時から石川県庁の大会議室で、映画『能登の花ヨメ』は記者発表を行い、この映画は能登半島地震震災復興支援映画であることを宣言したのだ。
 出席者は、白羽監督、溝上さん、亀田さん、藤岡さん、そして私。さらに能登広域観光協会の理事長であり、『能登の花ヨメ』の石川県における制作支援委員会の事務局長でもある向田さんも七尾市から駆けつけ出席してくださった。
 記者発表では白羽監督が映画による震災復興について熱く語った。溝上さんがこれまでの経過、二年の変遷を語り、亀田さんが賛同してくれる俳優やスタッフとこれからのスケジュールを紹介した。
 発言のたびに記者のカメラのフラッシュが光り、六台のテレビカメラが発言者の表情を追った。
 その模様は、テレビなら夕方のすべての情報番組で、新聞は翌日の朝刊で大きく報道された。どのテレビも新聞も私たちの取り組みを評価してくれ、期待してくれる内容だった。
 テレビもそうだし、翌日の新聞もそうだけれど、この記者発表の模様はかなり大きく取りあげられたので、『能登の花ヨメ』の認知度は一気に高まった。

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