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2-3 一本の電話に勇気づけられる。


 白羽監督と茶屋町のカフェで話しているとき、監督の携帯電話が鳴った。溝上さんからだった。
「心強いです。ありがとうございます。そうお伝えください」
 電話を終えた監督は少し上気していた。
 溝上さんからの電話は朗報だった。
 映画の企画がこのようなことになったので、藤竜也さんには事情を伝えるべきだと判断した溝上さんは、今日、藤さんの事務所へ伺ったという。
 ここ数日の事情をすべて話した。藤さんが降板することも覚悟のうえの訪問だった。しかし話し終えたあとの藤さんの言葉はある意味、予想を超えるものだった。
「私はこの映画に出演したい。この映画を成立させてほしい。八月のスケジュールは今月一杯キープしておくので、その間に目鼻をつけてほしい。その際、私の名前でいいのなら最大限に利用してもらっていい。ぜひがんばってほしい」
 藤さんはそういってくださったのだ。
 五月一杯といえども時間は二週間しかない。東京と大阪の双方で全力を尽くしましょう。溝上さんも監督にそういった。
 映画は人の想いから立ちあがり、人の想いが動かしていくのだ。
 いまから動いて数週間、数ヵ月で一億という大金を用意できる自信はまるでなかったけれど、一度乗りかかった船だ。可能性が少しでもある限りは動かなければならない。
 私は映画の魅力に取り憑かれていた。映画にでる、でないより、最初から最後まで映画づくりにかかわっていきたかったのだ。
「がんばりましょう」
 白羽監督からその話しを聞いて、私もそう答えた。

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