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1-10 タイトル変更『海とキリコとアオイ』。


 東京では脚本作業が本格化していた。
 脚本は一挙にあがらない。まずシノプシスといって、短いあらすじのようなもので全体の構成を確認する。キャラクターの性格を整え、シークエンスを整理する。今回の場合は、シノプシスの段階だけで4稿もあげてストーリーを練りに練った。
 構成が固まると、次はハコ書きといって、シノプシスに会話やディテールを加えたものに成長させていく。
 シノプシスがワードの原稿で十枚程度なら、ハコ書きは二十枚ほど。ト書きから会話がメインになってくる。
 そのハコ書きを何度か修正して、いよいよ脚本の原稿となる。
 ハコ書きに移る段階で問題が発生した。
 ストーリーとスケジュールが煮詰まってくると、それまで気づきもしなかったことがいろいろと具体的にみえてくる。
 タイトルへの疑問もそのひとつだった。
 スケジュール的に春先の撮影が無理ということがわかってきた。
 撮影は桜が散った後になる。桜はない、光は初夏か夏の輝きで、はたして『春がきた。』というタイトルが示すような像が撮れるだろうか?
 結局、タイトルを変更することに決まった。大阪での定例会議でも了承された。
 では、どんなタイトルがいいのか?
 監督、脚本家、プロデューサーが頭をひねった。
 これというタイトルがでないので、一度持ち帰って、それぞれが案を出し合うことになった。白羽監督から私にもタイトルを考えるように指示があった。
 年末の十二月二十九日を締め切りに各自が案をメールで提出して、全員で投票。獲得投票の多いタイトルを採用することになった。
 投票結果は実にバラついた。最多獲得投票数は二票で、あとはみんな一票という結果だった。白羽監督と溝上さんが話し合い、結局その最多票のタイトルにすることにした。
 それが『海とキリコとアオイ』。
 キリコはキリコ祭り、アオイはアオイ貝とヒロインの名前、アオイをかけていた。
 なにはともあれタイトルは決まった。そして撮影は二〇〇六年夏に行うことも決定した。

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